【11月2日 AFP】仏援助団体「ゾエの箱舟(Arche de Zoe)」がチャドの子どもをフランスへ密出国させようとしたとされる事件で、チャドのイドリス・デビ(Idriss Deby)大統領は1日、拘束中の仏人ジャーナリストとチャーター便のスペイン人女性乗員について、個人的見解としたうえで「釈放されることを望む」と述べた。

 同大統領は、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領を協議したことを認め、「報道のために現場にいたジャーナリストと、子どもを連れ出そうとしたNGOメンバーは区別しなければならない」と指摘、チャド司法当局に速やかな真相解明を求めた。

 一方で、解放の是非は「司法手続きによるもので、わたしが判断することではない」とも述べた。

 スペイン人パイロットについては、「アベシェ(Abeche)空港はボーイング(Boeing)757型機の離着陸が可能な空港ではなく、パイロットならそれを知っている。彼は危険を承知で計画に参加した」として、共犯との見方を示した。

 この事件に関し、チャド検察当局はこれまでにチャド人2人を含む19人を起訴。うち仏人9人(団体メンバー6人、ジャーナリスト3人)が「市民権を侵害する目的で未成年を誘拐した罪」と「強要罪」で正式に起訴され、子どもの連れ出しにかかわったとされるチャーター便のスペイン人ら7人も共謀罪で起訴されている。(c)AFP