【10月31日 AFP】イラク最大のダムがいま、崩壊の危機に直面している。30日発表されたイラク復興担当特別監察総監(Special Inspector General for Iraqi ConstructionSIGIR)の報告書によると、モスル(Mosul)とバグダッド(Baghdad)では大洪水が発生する恐れがあり、数10万人の住民が危険にさらされているという。

 SIGIRは米陸軍工兵隊(Army Corps of EngineersACE)による調査に基づいて報告書をまとめ、チグリス(Tigris)川流域のモスルダムが水圧で崩壊し、高さ20メートルの波が下流域を襲う恐れがあるとイラク政府に警告した。

 ACEは2006年、「モスルダムは基盤が浸食され、世界で最も危険なダムとなっている。少しの亀裂が崩壊へとつながる危険性は十分ある」と結論づけた。報告書によると、ダム崩壊の危険性は「極めて高い」という。

 SIGIRのこうしたダム強化作業評価書は、29日付けで、30日にウェブ上で公開された。(c)AFP