【10月31日 AFP】(一部更新)国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は30日、サッカーW杯(World Cup)2014年大会を、唯一立候補していた南米のブラジルで開催することを正式に発表した。また2011年女子W杯はドイツでの開催が決まった。

 ブラッター会長は、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領も参加して行われたFIFA理事会への同国の最終プレゼンテーションの後にブラジルを開催地とすることを告げた。

 5度の優勝を誇るブラジルが開催国となるのは1950年以来2度目。この年リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のマラカナン・スタジアム(Maracana stadium)で20万人近くの観客を前に決勝に臨んだブラジルは、ウルグアイに2-1で敗れているが、神話的な会場である同スタジアムに全面的な改修を施したことがブラジルの開催地決定における鍵となった。

 ブラジルサッカー連盟(Brazilian Football Confederation:CBF)のリカルド・テイシェイラ(Ricardo Teixeira)会長は「社会と経済に効果をもたらすW杯の開催は、国家と国民にとって大きな喜びであり歴史的偉業だ」とし、安全と共に交通、衛生、下水処理、給水設備などの改善が見込まれることから「2014年大会は恒久的な遺産を残すだろう」と語っている。

 また、テイシェイラ会長と共に演壇に登ったアマゾン州知事のエドゥアルド・ブラガ(Eduardo Braga)氏は「永続的な発展、人々への支援、かけがえのない環境遺産の保存のために貢献」することを約束し「ブラジルでのW杯開催は地球温暖化や気候変動の緩和のために数百万という人々が一体となる世界初の巨大イベントになるだろう」と語るなど、ブラジルは2014年大会を環境に配慮したものとすることを全面に押し出している。

 欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長もブラジルでのW杯開催を歓迎しており「ブラジルはサッカーに多くをもたらした国であり、W杯史上最多の優勝回数を誇る世界最大のサッカー大国だ。ブラジルでのW杯開催はメッカ(Mecca)やエルサレム(Jerusalem)への巡礼のようなものだ」と語っている。

 また、ブラジル派遣団の一人はAFPに対し、W杯を開催するために最も重要とされている会場の整備と確かな予算の確保の2点について「数か月から数年を見越して」取り組むと語っている。

 FIFAは候補地の調査を経てブラジルを唯一の立候補国として支援してきており、FIFAの調査団は先月提出したレポートで「ブラジルを2014年W杯の開催地とするのは適切な選択だろう。ブラジルはそのポテンシャルとW杯という規格外のイベントを開催する能力があることを示している」と報告していた。(c)AFP