【10月30日 AFP】フランステニス連盟(French Tennis Federation)のクリスチャン・ビーム(Christian Bimes)会長は29日、取り締まりに力を入れているものの八百長の可能性があることは「深刻な問題」であり、マスターズ・シリーズ・パリ大会2007(BNP Paribas Masters 2007)で行われないようにすると明かした。

 ビーム会長は、「深刻な問題だ。グランドスラムで八百長が行われたことを知った。テニス業界全体に影響する問題だ。慎重かつ厳しく取り締まる必要がある。ドーピングと同じ扱いにするべきだ」と28日のマスターズ・シリーズ・パリ大会開幕を前に話し、男子プロテニス協会(Association of Tennis Professionals:ATP)とヨーロッパの宝くじネットワークを通じて、試合の賭博金額の情報を集めていることを付け加えた。

 マスターズ・シリーズ・パリ大会開催期間は、フランス宝くじ公社のフランセーズデジュー(Francaise des Jeux)がスウェーデン、デンマーク、スロベニア、スイスの4つの賭博会社を監視し、違法な賭け方が確認された場合はフランステニス連盟に報告することになる。

 8月にポーランドのソポト(Sopot)で行われたオレンジ・プロコム・オープン2007(Orange Prokom Open 2007)の2回戦、ランキング4位の二コライ・ダビデンコ(Nikolay Davydenko、ロシア)が第1セットを先取したにもかかわらず、足の負傷により途中棄権したことで不規則な賭けのパターンがあったとし、八百長スキャンダルが浮上した。

 ダビデンコは再び22日から開催されたサンクトペテルブルク・オープン2007(St.Petersburg Open 2007)で公の場に登場し、クロアチアのマリン・チリッチ(Marin Cilic)と対戦したが、まさかの敗北を喫し、全力を尽くさなかったとして2000ドル(約23万円)の罰金を科された。

 ダビデンコが昨年の覇者であるパリ大会の全大会は記録されており、「警察が唯一このような捜査を行うことができる」と試合および賭けの分析によって八百長の疑惑が示唆された場合、その情報は警察に提出されるとビーム会長は話した。

 マスターズ・シリーズ・パリ大会で行なわれている八百長問題に対する対策は、翌年にローラン・ギャロス・スタジアム(Stade Roland Garros)で行われる全仏オープン・テニス2008(French Open)での施行に向けて、大会終了時に検討される。

 フランステニス連盟のJean-Francois Vilotte氏は、「我々は、この八百長問題に対し魔法の棒を振って解決できるほど甘くはない考えている」と話し、「パリ大会での賭博を違法サイトで行うことはリスクを伴うことだということをはっきり言っておきたい」と付け加えた。

 またATPはエティエンヌ・ド・ヴィリエ(Etienne de Villiers)会長と共に厳しい取り締まりを行っており、八百長に関与した選手に対しては永久出場停止の可能性もあると明言した。(c)AFP