【10月30日 AFP】若い男性が車を飛ばすのは「スピードは男らしい」と考えているからだとする研究結果が29日、発表された。

 研究を発表したのはスイスのチューリヒ大学(University of Zurich)、ヌーシャテル大学(University of Neuchatel)およびドイツのハイデルベルク大学(University of Heidelberg)の科学者からなる研究チーム。

 研究によると「いかにも男性的な環境」に身を置く男性は、女性的または中性的な環境にいる男性より「明らかに」高速で運転するという。

 ヌーシャテル大学のMarianne Schmid Mast教授(心理学)によると、研究は20-27歳の男子学生83人を対象に運転シミュレーターを使って行われた。

 学生たちは男性的な性質を連想させる「筋肉」「あごひげ」などの言葉がラジオから流れると加速した。

 一方、女性的な「口紅」「ピンク」などの言葉を聞くと、時速2キロほど減速したという。中性的な「机」「いす」などの場合も同様の傾向がみられた。

 同教授によると、この研究は若い男性の多くがスピードの出し過ぎによる自動車事故に巻き込まれていることを懸念して行われたという。これまでもしばしば「男らしい態度」と「攻撃的な運転」の関連性については指摘されていたが実証はされていなかった。今回の研究で、統計的に顕著な結果が得られたという。

 研究チームは、研究結果は男らしさとスピードの関連性を断ち切る安全運転活動に活かすことができると期待する。例えば、F1ドライバーのミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)が一般道路をゆっくり走る様子を7回見せるなどだ。

 同教授は、今後は女性についても同様の研究をしたいと抱負を語っている。(c)AFP