【10月27日 AFP】(27日写真追加)大規模な山火事に見舞われている米カリフォルニア(California)州、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)州知事の災害対応に各方面から称賛されている。

 州知事は24日の記者会見では「被災地を直接訪れて、火災の規模や被害状況、地元住民が避難している救済センターの様子を確認することが重要だ」と述べ、緊急事態における行動の重要性を強調。「自発的かつ実際の行動が大切だ」と語った。報道によると州知事本人が直接、救援物資を発注したこともあったという。
 
 州知事が今週、カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)のQualcommスタジアムに設けられている救済センターを訪問すると、避難していた住民たちの間で歓声がわき起こった。州知事は救済センターを視察し、毛布や飲料水などの必需品が不足していないかを入念にチェック。そうした州知事の横でポーズを取り記念撮影する住民の姿も見られた。

■政界全体から高い評価

 今回の山火事は、元アクション映画俳優だったシュワルツェネッガー氏が4年前にカリフォルニア州知事になって以来最大の試練となったが、同氏の災害対応は党派を問わず政界全体から高く評価されている。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は25日、大規模な山火事が起きたカリフォルニア州南部を訪れ、シュワルツェネッガー州知事とともに被災現場を視察。その後の記者会見では「率先して災害対策に取り組もうとする指導者がいるのといないのとでは大違いだ」と述べた。

 民主党のバーバラ・ボクサー(Barbara Boxer)上院議員(カリフォルニア州選出)も今回の知事の対応を称賛しているという。ボクサー議員は、シュワルツェネッガー氏が2011年の議会選に出馬すれば、上院議員の座を争うライバルとなる人物だ。

■シュワルツェネッガー氏の「スターのオーラ」は健在

 米国では2005年、大型ハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)がニューオーリンズ(New Orleans)を襲って大規模な自然災害が発生。国民の多くはカトリーナの際の政府当局の対応を、今回のシュワルツェネッガー州知事の対応と比較する。

 同州オレンジ郡(Orange County)の消防署長は「消防隊は州知事が自分たちと一緒になって災害に取り組む姿を見て、大いに勇気づけられた」と語った。

 今回の山火事に際して州知事が着実に指導力を発揮したことで、有権者は知事の「スターとしてのオーラ」を感じたはずだと、南カリフォルニア大学(University of Southern California)の政治学者、Sherry Bebitch-Jeffe教授は指摘する。同教授は「州知事は今回見事な手腕を発揮した。今回の危機対応で新たな功績が経歴に加わるだろう」と話し、「スターのオーラは今後も失われないはずだ。州知事は指導者としての務めを果たしたのだから」と語った。(c)AFP