【10月25日 AFP】スーダンのダルフール(Darfur)紛争の解決を目指し、同政府と反政府勢力による和平協議が、27日からリビアのシルト(Sirte)で開催される。しかし、直前になって反政府勢力の大半が参加見送りを明らかにし、交渉の行方に暗雲が立ち込めている。

 今回の和平協議は、4年間におよぶ内戦によってもたらされた「世界で最も壊滅的な人道的危機」の終結を目的として、国連(UN)とアフリカ連合(AU)が主宰する。国連の統計によると同紛争で少なくとも20万人が死亡し、200万人以上が難民となった。

 協議実現によって一度は強まった和平プロセス再開への期待は、反政府勢力のうち7勢力が会議への参加を見送る方針を発表し、急速に弱まりつつある。

■政府軍らの難民キャンプ攻撃で状況悪化

 会議への参加を表明しているのは、Khamis Abdallah Bakr率いるスーダン解放運動(Sudan Liberation MovementSLM)1勢力のみで、スーダン解放運動統一派(SLM-Unity)は立場を明確にしていない。

 一方、イスラム系の「正義と平等運動(Justice and Equality MovementJEM)」 に加え、世俗派であるSLM内の6派が会議への不参加を表明している。

 米マサチューセッツ(Massachusetts)州スミス大学(Smith College)のスーダン専門家、エリック・リーブス(Eric Reeves)氏は、「反政府勢力の参加が意味あるものとなる可能性は非常に低い」と指摘する。

 同氏は、スーダン軍と政府の支援を受けるアラブ系民兵組織ジャンジャウィード(Janjaweed)が、ダルフール最大のカルマ(Kalma)難民キャンプを攻撃したことが、交渉のための環境を破壊したと非難する。「もともと厳しかった協議をめぐる状況は、カルマ難民キャンプへの攻撃で非常に悪くなった」と語った。

■「カダフィ大佐が議長」も致命的

 さらに会議の議長として、リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が選出されたことは致命的だと強く非難した。「リビアはダルフールで最も紛争を煽ってきた。ジャンジャウィードの武器の大半は、カダフィ大佐から供給された」と批判した。

 国連ダルフール特使のヤン・エリアソン(Jan Eliasson)氏は24日、「この機会を逸すれば、非常に危険な状況を招きかねない」と声明を発表し、反政府勢力に和平協議への参加を呼び掛けた。

 JEMの広報担当官、Ahmed Hussein Adam氏は23日、国連とアフリカ連合がスーダン南部で開いた事前協議のに出席した後に声明を発表し、両機関の仲裁について「和平プロセスの再開手法に関する明確かつ正確な展望が存在しない」と苦言を呈した。

 2006年、ナイジェリアでの交渉で和平協定に調印したのは、3勢力のうち1勢力のみだった。シルトでの和平協議は、前回の交渉失敗を繰り返す恐れが出てきた。(c)AFP/Mohamed Hasni