【10月23日 AFP】英俳優ユアン・マクレガー(Ewan McGregor、36)が、23日発売のラジオタイムズ(Radio Times)誌のインタビューで、英国の過剰な治安対策や保健安全規制について不満を語った。

 マクレガーは最近、英国放送協会(BBC)の番組で、友人で俳優仲間のチャーリー・ブアマン(Charley Boorman)と、英国北部のJohn O'Groatsからアフリカ大陸南端のアガラス(Agulhas)岬まで、2万4000キロにわたるバイク旅行を終えたばかり。「この旅で英国の治安対策がどれだけ常軌を逸しているかがわかった」と、不満を爆発させた。「いたるところに監視カメラがあって、通行料まで取られる。こっけいな過保護国家だよ。もし英国を出なきゃならない理由があるとしたら、これだね。税金じゃない。僕はそんなに稼いでいないから」

 また、同国の保健安全規制については「手がつけられなくない状態」だと指摘している。

 2005年10月、俳優ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)が「007」シリーズの新しいジェームズ・ボンド(James Bond)役として発表された際、テムズ(Thames)川をボートで上ってきたクレイグは(安全規則のため)救命胴衣をつけたまま、報道陣の前に登場するはめになった。その姿は「命知らずのスパイ」からはほど遠いもので、この演出は完全に裏目に出た。この件についてマクレガーは、「クレイグが悪いんじゃない。彼は言われたようにやっただけだ」と同情。「アフリカでは駐車場の係員がバイクを並べるとき、タバコを吸っていた。そんなやり方が好きだったよ」と話した。

 旅行では、アフリカで触れた人間の優しさに感動したという。「僕たち旅行者に、皆が親切にしてくれる。最も寛大で幸福な人というのは、物に恵まれてない人たちだ。僕たちの周りには何でもありすぎる。英国にいると本当に憂うつになるよ」

 一方ブアマンは、「僕たちはずっと一緒にいたが、飽きることはなかった。でもときどき、数日間シャワーを浴びていない匂いに耐えられないことはあったな」とのコメントを寄せている。

 スコットランド(Scotland)出身のマクレガーは、「スター・ウォーズ(Star Wars)」新三部作でオビ・ワン・ケノービ(Obi-Wan Kenobi)を演じたほか、『トレインスポッティング(Trainspotting)』、『普通じゃない(A Life Less Ordinary)』、『マネートレーダー/銀行崩壊(Rogue Trader)』、『ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge!)』、『ミス・ポター(Miss Potter)』などに出演している。(c)AFP