【10月23日 AFP】23日打ち上げ予定のスペースシャトル「ディスカバリー(Discovery)」は、当日に悪天候が予想されることから、打ち上げ延期の可能性が出てきた。

 ディスカバリーには主翼部分の耐熱パネル3枚を交換する必要があるとして、技術者グループが打ち上げ延期を要請していたが、米航空宇宙局(NASA)は前週、この問題について延期するほどの危険性はないと判断し、予定通り23日に打ち上げると発表していた。耐熱パネルを交換する場合、打ち上げが約2か月間延期されることになり、その結果、NASAのスペースシャトル計画に遅れが生じる。

 NASAによると、打ち上げ前夜に問題ありと判断される天候になる確率は60%。一方、気象当局は「悪天候による延期の可能性は40%程度」とし、24、25の両日には天候が多少好転すると予報している。

 ディスカバリーの打ち上げは、フロリダのケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)で、23日午後3時38分GMT(日本時間24日午前0時38分)を予定している。今年3回目のシャトル打ち上げで、ISS建設のためのフライトとしては23回目となる。

■今回のミッションは重要な結合モジュールの移送

 今回のディスカバリーのミッションは、国際宇宙ステーション(ISS)建設に欠かせない結合モジュール、「ハーモニー(Harmony)」の移送となる。

 この結合モジュールは、重さ14.3トンのイタリア製の巨大なアルミチューブで、欧州宇宙機関(ESA)の「コロンバス(Columbus)」実験棟と日本の「きぼう(Kibo)」実験棟をISSにつなぐもの。これによりISSはほぼ完成型となる。

 米航空宇宙局(NASA)は12月6日に「コロンブス」、2008年初頭に「きぼう」をISSに運び込む予定。

 ディスカバリーの乗組員は男性5人、女性2人の計7人で、リーダーはパメラ・メルロイ(Pamela Melroy)飛行士(46)。14日間の滞在中、2人組による5回(計30.5時間)の船外活動が予定されている。うち10時間は、ステーションを離れずにおこなう。(c)AFP