【10月20日 AFP】パキスタン政府は20日、138人が死亡したベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相の歓迎パレード中の自爆テロについて、暗殺未遂を指示した人物の捜査を開始した。

 ブット元首相は、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領に、18日のテロに関与した疑いのある人物3人の名前を伝えたと述べた。ブット氏は英国放送協会(BBC)の取材に対し、「大統領に3人の名前を伝えており、うち1人はすでに監視中だ」と語ったが、具体的な名前は明かさなかった。

 パキスタン人民党(Pakistan People's PartyPPP)関係者は、軍の上層部がリストに含まれていることを示唆したが、詳細は不明。

 ブット元首相は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)、パキスタンおよびアフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)のメンバーや、カラチ(Karachi)を拠点とする武装組織などから攻撃される恐れがあると事前に警告されていたと述べた。

 また、同元首相は故ジアウル・ハク(Zia ul-Haq)元大統領の支持者も非難している。ハク元大統領は、陸軍参謀長だった1977年に無血クーデターで政権を掌握。2年後に、ブット元首相の父、ズルフィカル・アリ・ブット(Zulfikar Ali Bhutto)元首相を絞首刑に処した。

 これまでに容疑者は逮捕されていないが、ムシャラフ大統領はブット元首相と電話で会談し、犯人逮捕を確約したという。

 カラチの警察当局は「捜査は進行中だが、容疑者や特定の人物を名指しする段階ではない。警察は現場検証を行い、若干の証拠品などは見つかっている」と述べた。(c)AFP/Danny Kemp