【10月20日 AFP】イタリアの首都ローマ(Rome)で19日、無政府主義者と称する一団が観光名所トレビの泉(Trevi Fountain)に染料を投げ込む事件が発生し、泉の水が深紅に染まった。

 泉の周辺にまかれたビラには前日18日に始まったローマ映画祭(RomeFilmFest)について、1500万ユーロ(約25億円)の予算を批判した上で、「主催者は(会場だけに)赤いカーペットを敷きたがっているが、われわれはローマ全市を赤く染めたい」と書かれていた。

 グループは「われわれはぜい弱な立場にある高齢者や病人であり、労働者や学生だ」と主張。「灰色でブルジョア的な社会に」異を唱えるとし、「この灰色を朱に染めることを使命とする」と述べている。

 ビラは「われわれは今日、偽りの権力への追従者や国際市場を信奉する奴隷に対する戦いを賛美し、生命と歴史への新たな暴力的概念を誕生させる」などと記載されていた。

 ビラには、同国の独裁者、ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)元イタリア首相が1909年にファシズムの公式芸術として定めた未来派芸術運動との関係を示唆する「FTM Azionefuturista 2007」の署名があったという。(c)AFP