【10月20日 AFP】噴火の恐れがあるとして16日に警戒レベルが引き上げられたジャワ(Java)島のクルド山(Mount Kelut)の火山活動が一層活発になったと地質学者が19日、警告を発し、警察は、拒む一部住民を強制的に避難させた。

 クルド山は、インドネシア第2の都市スラバヤ(Surabaya)から約90キロに位置する標高1731メートルの活火山。

 クルド山の観測を続けていた地質学者によると同日、日本時間の17時頃から約50分間ほど続く微震を観測。16日に噴火警報が発せられて以来、観測された微震で最長のものは45秒だった。これは「マグマが頂上付近の凍結したマグマ層を突き破ろうとしていることを意味」し、綿密な観測が続けられているという。

 同地質学者は、34人の死者を出した1990年の噴火と同様、今回も高温のガスと火山性堆積物が斜面を急速に流下する「火砕流」の発生を予測する。

■避難を拒む一部住民ら

 クルド山のふもとに住む約11万6000人はすでに避難しているが、地元当局の避難命令を無視して家に戻る者も多数いる。このような住民を銃で脅し、火口から半径10キロ圏内の危険区域から退避させたとの一部の報告について、地元警察署長は「そのようなケースがあったことは認めるが、身体的な接触はなかった」とし、また「火山は危険な状態にある。すべては住民を守るためだ」と報道陣の質問に答えた。

 火口から8キロ離れたKampung Anyar村では、約350人の住民が自分の身は自分で守ると主張。Sugengさん(45)は「クルド山が噴火したら、家に閉じこもって一言も話さないようにする。夜明けまで電気やろうそくはおろか、マッチ1本も使わないよ」とAFPに対して語った。(c)AFP