【10月19日 AFP】世界最大規模の図書館、米議会図書館(Library of Congress)は、インターネットを通じて世界中から利用できる「World Digital Library(世界デジタル図書館)」を、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)と共同で立ち上げる。

 議会図書館の広報官Guy Lamolinara氏によると、世界デジタル図書館は2008年末か2009年初頭に運営を開始する。会員登録およびダウンロードは無料。パブリックドメイン(著作権の保護期限が切れた状態)の著作物を扱うため、著作権の問題は発生しないという。

 世界デジタル図書館のアイディアが初めて提唱されたのは、2005年6月。提唱者である議会図書館のJames Billington氏は、「重要な文化的コンテンツを各国から集め、世界中どこからでも多言語でアクセスできるようにした世界規模の図書館」を目指していた。例えば地図でエジプトをクリックすれば、エジプト関連の資料を7言語で検索できるというものだ。

 これを受け、世界デジタル図書館のホームページは、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語に対応したものとなる。内容は、インターネットで利用できるような自動翻訳ではなく、“正確に”翻訳したものだという。
 
 議会図書館にはオンラインで利用可能な図書が1100万点もあるなど、書物のデジタル化では膨大な経験があることから、このプロジェクト参加者としては最適だった。
 
 このプロジェクトには、米ニューヨーク公立図書館(New York Public Library)、米ハーバード大学(Harvard University)、英オックスフォード大学(Oxford University)、スペインのマドリッド コンプルテンセ(Complutense of Madrid)大学、米カリフォルニア大学(University of California)などの大学の図書館も参加し、各図書館の書物がオンラインで利用できる。

 世界デジタル図書館の試作版ウェブサイトは今週、開設された。(c)AFP/Karin Zeitvogel

「世界デジタル図書館」試作版ウェブサイト(英語)