【10月10日 AFP】オランダ金融大手ABNアムロ(ABN Amro)の買収について、英銀行バークレイズ(Barclays)と買収争奪戦を繰り広げていた英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of ScotlandRBS)主導の3社コンソーシアム(企業連合)は10日、ABNアムロ買収に成功したと発表した。金融史上、最大規模の買収合戦に決着が付いた。

 同コンソーシアムを形成するのは、RBSのほかにベルギー・オランダ資本のフォルティス(Fortis)と、スペインのバンコ・サンタンデール(Banco Santander)。買収額は710億ユーロ(約11兆7000億円)に上るとみられる。

 前週、バークレイズ側が買収提案の撤回を発表した時点で、3社コンソーシアムによる買収は実質上、確実視されていた。

 コンソーシアムは10日、「完全に無条件で」買収に成功したと声明を発表した。提案内容がすべて受け入れられた形だ。発表によるとABNアムロ株86%の株主らが提案を承認。8日の段階で同様の報道はあったが、提案に対する条件に関しては明らかにされていなかった。

 前週、争奪戦から撤退したバークレイズの提示した買収額は630億ユーロ(約10兆6000億円)とコンソーシアム側に及ばず、ABN株主の1%の指示しか確保できなかった。またバークレイズ側が株式による取引を提案していたのに対し、コンソーシアム側は主に現金による取引を提案していたことも加わり、アナリスト周辺ではコンソーシアム側の圧倒的有利が予測されていた。
 
 今回の買収により、かつてはオランダ経済の要といわれた1824年設立のABNアムロは、分割される方向に進む。また、最高1万9000人の人員削減が行われると見られる。(c)AFP