【10月10日 AFP】(写真追加、一部更新)台湾では10日、双十節(National Day)を迎えた。16年ぶりに実施された軍事パレードで台湾が開発したミサイルを公開するなど、中国に対抗するための軍事力を誇示した。

 テレビで中継された双十節の演説では、陳水扁(Chen Shui-bian)総統は中国の軍備増強に関し、世界平和に対する脅威だと指摘。さらに台湾に向けて配備されている約1000基の弾道ミサイルと巡航ミサイルを撤去することを求めた。また、陳総統は今後も「台湾」名義での国連(United NationsUN)加盟申請の是非を問う住民投票を目指すことを強調した。

 軍事パレードで最も注目されたものは、超音速対艦ミサイル「雄風3型(Hsiung Feng 3)」やミサイル迎撃ができる「天弓3型(Tien Kung 3)」などの台湾製兵器だった。また台湾国防部は、戦場の情報収集等に使用される国産の無人偵察機も初めて公開した。

 一方、中国本土まで射程に収めるという、台湾初の巡航ミサイル「Hsiung-feng 2E」は公開されなかった。一部では米国からの圧力があったと報道されている。このミサイルの詳細は明らかにされていないが、専門家によると射程は600キロで、陸上、海上のどちらからでも発射できるという。この射程は、上海(Shanghai)や香港(Hong Kong)などの都市だけでなく、中国南東部の空港やミサイル基地も攻撃できるものだという。

 台北(Taipei)の総統府前の広場では、厳重な警備態勢の下、車両に乗った精鋭部隊の海兵隊特殊部隊を含む数百人の兵士が行進した。上空では、米国製F-16戦闘機や仏製ミラージュ2000-5(Mirage 2000-5)戦闘機、台湾の国産戦闘機が編隊飛行を行った。

 まもなく2期目を終える陳総統は、今回が総統として最後の双十節になる。(c)AFP/Benjamin Yeh