【10月6日 AFP】チリの司法当局は5日、数百万ドルを横領し米国の口座に隠したとして前日に逮捕されたばかりの故アウグスト・ピノチェト(Augusto Pinochet)元大統領の妻ルシア・イルアルト(Lucia Hiriart)夫人(87)と子供、元私設秘書らの仮釈放を命じた。

 仮釈放されたのは逮捕された23人のうち元遺産管理人Oscar Aitken容疑者を除く22人。

 Carlos Cerda判事は、「昨日は法にのっとって逮捕命令を下したが、本日、容疑者を拘束する根拠がないと判断した」と経緯を説明した。

 同判事は、ピノチェト元大統領が米地銀リッグス銀行(Riggs bank、本店ワシントンD.C.)と共謀して2500万ドル(約29億円)を不正に蓄財した事件を担当。この事件は、2004年の米上院による調査で、同銀行にピノチェト元大統領と家族名義の口座数百が存在することが発覚して明らかになった。

 1973年から90年までのピノチェト軍事政権下では、拷問などで政治犯ら数千人にのぼる死者が出たとされ、反体制派の殺害や公金横領容疑でピノチェト元大統領の責任を追及する裁判が続けられた。しかし元大統領は2006年12月に心臓発作のため91歳で死亡したため、判決は下されていない。元大統領の弁護団は、元大統領が高齢による認知症で弁護能力がないと申し立てていた。(c)AFP