【10月5日 AFP】5年にわたる修復期間を終え5日に再オープンしたローマ(Rome)の大型展示会場「パラッゾ・デッレ・エスポジオーニ(Palazzo delle Esposizioni)」では、記念イベントとして米映画監督スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)など世界的な現代アーティスト3人を特集した特別展覧会が開かれている。

 歴史的価値の高い、新古典主義のこの建物は、計2800万ユーロ(約46億円)をかけて修復された。映画上映スペース、マルチメディアを備えた講堂を拡張し、レストランやカフェ、子どもたちのプレイルームを増設。総面積1万平方メートルを誇る展示スペースは、ローマ最大となる。

  ワルテル・ベルトローニ(Walter Veltroni)ローマ市長は4日の記者会見で、「現代の表現の焦点を当てた、ローマ最大の文化の中心地が間もなく開幕する」と語った。

■抽象表現主義の米画家ロスコ

 1階では、米国の抽象表現主義画家、マーク・ロスコ(Mark Rothko、1903-1970)の回顧展が開かれている。ロスコの作品「White Center」は、5月に行われたサザビーズ(Sotheby's)のオークションで7200万ドル(約83億8000万円)で落札され、現代アート作品の最高額を記録。同施設のOliver Wick氏はロスコの作品が高騰していることに言及し、「これほど大規模なロスコの作品展は、おそらく今回が最後になるだろう」と語った。 

 今回展示されているロスコの作品は70点。超現実主義からスタートし、強烈な色とあいまいな境界線を用いて大型のキャンバスに描くロスコ独自のスタイルを確立までの経過を追っている。その1つである黒が大半を占める抽象画はロスコ最後の作品で、自殺につながった抗うつ剤とアルコールへの依存を表現しているとされている。

■独創的な現代彫刻家チェロリ

 このほか、イタリア人現代彫刻家マリオ・チェロリ(Mario Ceroli、69)の展覧会も開かれている。イタリアの現代アートの活力を示すと同時に、「学際的」な展示会とすることが狙いだ。

「貧しい芸術」の提唱者であるチェロリは、今回の展覧会でも木、ガラス、色のついた粉末などを使用した独創的なインスタレーションや彫刻を出展。このほか、木炭、灰、枝、木の幹、ストロー、羊毛などの天然材料を用いた巨大な作品なども展示されている。

■完璧主義の米映画監督キューブリック
 
 もうひとつの注目はキューブリックの展覧会。完璧主義者として知られる同監督のメモ、脚本、写真、書籍などの記念品が展示されている。

 また、拡張された上映スペースでは、『ロリータ(Lolita)』、『突撃(Paths of Glory)』、『フルメタル・ジャケット(Full Metal Jacket)』、『スパルタクス(Spartacus)』、『バリー・リンドン(Barry Lyndon)』、『アイズ ワイド シャット(Eyes Wide Shut)』、『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』など、同監督の作品が上映されている。

 ロスコとキューブリックの展覧会は2008年1月6日まで、チェロリの展覧会は2007年12月2日まで開催される。(c)AFP