【10月2日 AFP】ドイツ人の5人に1人が「ベルリンの壁(Berlin Wall)」の再建を望んでいる。1990年10月3日にドイツが再統一されてまもなく17周年を迎えるにあたり、こうした世論調査の結果が1日発表された。

 これは民間の世論調査会社Emnidが実施したもので、ドイツを28年間にわたり東西に分断してきたベルリンの壁が崩壊して「よかった」と答えた人は全体の75%。一方で、「東西に分断されていた頃の方が良かった」と答えた人は全体の19%にものぼった。

 旧東ドイツ圏の住民1670万人のうち実に21%が「旧西ドイツとの国境のコンクリート、有刺鉄線、武装警備隊が懐かしい」と回答。また、同じく74%が、ベルリンの壁の崩壊後に「生活水準が落ちた」と答えた。

 一方で、旧西ドイツ圏の住民の73%は、「旧東ドイツ圏の住民が不便な生活を送っているとは思わない」と回答している。

 東ドイツは1961年、西ドイツへの労働力流出を防ぐため「ベルリンの壁」を建設。ベルリンの壁は、東ドイツでの民主化要求運動の高まりを受け、1989年11月に崩壊、この11か月後に東西ドイツが統一した。

 以来、旧東ドイツ圏は経済的に立ちおくれ、旧西ドイツ圏からの援助額はこれまでに1兆ドルを超えている。

 ドイツ南部ニュルンベルク(Nuremberg)にある労働研究所の調べでは、旧東ドイツ圏では賃金が旧西ドイツ圏より25%低く、失業率も旧西ドイツ圏の約2倍の15%にのぼっている。(c)AFP