【9月30日 AFP】(一部更新、写真追加)ミャンマーの反軍政デモを取材していたニュースプロダクションの契約記者、長井健司(Kenji Nagai)さん(50)が同国治安部隊によって射殺された事件で、外務省の藪中三十二(Mitoji Yabunaka)外務審議官は30日、真相究明のためミャンマーに向けて出発した。

 長井さんの遺体と対面した、同氏が契約していたAPF通信社(東京都港区)の山路徹(Toru Yamaji)社長(46)によると、遺体には至近距離から撃たれた痕跡があり、ほとんど即時の状態だったという。

 日本の報道機関が29日に伝えたところによると、ミャンマーの主要支援国である日本は、永井さんの殺害が故意であれば、殺害に関与した当局者らの処分を同国政府に要求するという。

 外務省によると、藪中外務審議官は3日間の予定でミャンマーを訪問し、ニャン・ウィン(Nyan Win)外相、マウン・ウ(Maung Oo)内相などの閣僚と会談する。

 同外務審議官は成田空港(Narita airport)で記者団に対し、「真相究明、邦人の安全確保を求めたい。民主化勢力と対話し、民主化へ道筋をつけてほしいと伝えたい」と強調した。

 共同通信によると、日本政府は、大使召還など外交レベルの引き下げや、技術協力の縮小・一部凍結などの強硬措置も検討しているという。

 長井さんはAPF通信社と契約し、世界中の紛争地域などで取材を行っていた。今回の武力鎮圧で外国人としては初の犠牲者となった。

 同通信社社員によると、山路社長は29日に永井さんの解剖を行った医師と面会、長井さんが約1メートルの至近距離から撃たれ、即死に近い状態だったと告げられたという。山地社長は「弾は一発と推定され、左背部から右胸肋骨(ろっこつ)下に貫通。肋骨が数本折れた」などと話したという。

 山路社長によると、長井さんが死亡した際、手にしていたカメラが見つかっておらず、ミャンマー当局に没収されたものとみられるという。

 同社長は「対面して、長井さんの死を改めて実感した。しばらくは顔をじっと見て『お疲れさまでした。一緒に帰ろう』と声を掛けた」と悲痛な胸の内を明かしたという。

 日本は2003年、民主化指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんが長期間自宅軟禁下にあることに抗議し、社会基盤整備などの主要プロジェクトに対する低金利の円借款を中止した。

 しかし、日本政府は緊急および人道目的の援助は継続する方針を示している。(c)AFP