【9月27日 AFP】ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相率いるパキスタン人民党(Pakistan People’s PartyPPP)議会派は26日、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領の対立候補として、アミン・ファヒム(Makhdoom Amin Fahim)副総裁を擁立すると発表した。PPPは、ムシャラフ大統領の下では国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の掃討はできないと主張している。

 10月に亡命先から帰国する予定のブット元首相は26日、米国のワシントンD.C.でファヒム氏の擁立を発表し、「これは選択肢を増やし、われわれが優位に立つためだ。ムシャラフ氏の立候補の正当性をめぐる問題は、パキスタン国民が最も注目している問題だ」と語った。

 ブット氏は米国会議事堂で演説し、ムシャラフ大統領の下でパキスタンは「国際的な過激派の培養地」になり果てたと述べ、幅広い支持を集められる新政権でなければイスラム武装組織を根絶やしにできないと指摘。イスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)やアルカイダと戦うためには国家的な取り組みが必要であり、これは正当な選挙を通じてのみ達成できると主張、米国に対し、多額を拠出してムシャラフ大統領を支持するのをやめるよう訴えた。

 10月6日の大統領選で再選を目指すムシャラフ大統領は、米国の「テロとの戦い」にとって重要な同盟相手だが、2人の対立候補を前に、単独出馬して再選される希望は薄れた格好だ。ファヒム氏は、選挙管理委員会が立候補期限と定めた27日までに正式な立候補を届け出る見通し。

 野党側は、ムシャラフ大統領が陸軍参謀長を兼任したまま大統領選に立候補するのは憲法違反だとして最高裁に提訴しており、近く判断が下される見通し。同大統領は現在、再選に向けて議会で十分な支持を獲得しているが、ブット氏は、最高裁が同大統領の立候補を違憲と判断した場合、正式な大統領候補を擁立しておけばチャンスがあるとの見方を示した。

 他の野党各党はムシャラフ大統領の立候補を阻止するため、選挙管理委員会を封鎖すると宣言、これが原因で反ムシャラフ派の活動家100人以上が逮捕された。

 1999年、クーデータによって政権を握ったムシャラフ大統領は25日、大統領に再選されなかった場合は陸軍参謀長の職にとどまると宣言。厳戒令が発令されるのではないかとの不安が高まっている。

 ブット氏はまた、もし政権を奪回したら、欧米諸国ではなく国連の査察官が、パキスタンの「核開発の父」と呼ばれるパキスタン人科学者、アブドル・カディル・カーン(Abdul Qadeer Khan)博士を事情聴取することを認める考えを明らかにした。同博士は2004年2月にテレビ放映されたインタビューで、リビア、イラン、北朝鮮に対し、核兵器の製造技術を提供したことを認めている。米国は同博士の事情聴取を強く要求していたが、ムシャラフ大統領は一切の要求を拒んでいた。(c)AFP/Sami Zubeiri