【9月26日 AFP】ベトナム南部のビンロン(Vinh Long)省で26日、日本の政府開発援助(ODA)で建設中の橋が崩落し、警察や病院によると、作業員など少なくとも38人が死亡、164人が負傷した。犠牲者の数はさらに増える可能性もある。

 崩落した当時、橋の上では約250人が作業中だったが、橋のコンクリートが崩れて川になだれ落ち、多数が下敷きになった。現場では軍の兵士150人も出動し、懸命の救出作業が続けられている。負傷者は周辺の病院に運ばれたが、重傷者も多数いる模様。

 事故を目撃した作業員は、地元のニュースメディアVNExpressのサイトに掲載された記事の中で、橋の一端が大音響とともに崩れ、作業員から助けを求める悲鳴が上がったと証言。「下で働いていた人たちの上に巨大なコンクリートの塊が降り注いだ。恐ろしい光景だった」と話している。

 地元カントー(Can Tho)市の当局者によると、過去数日この地域に降った大雨で橋の構造が弱り、2本の橋脚と足場の崩壊につながった可能性がある。VNExpressは警察の話として、まず足場が崩壊し、続いて25日にコンクリートで固められたばかりの部分が崩壊したと伝えた。

 橋は日本のODAで建設されており、長さ16キロ。ハウ(Hau)川に架けられ、ビンロン省とカントー市を結んでいた。日本はこの事業に約248億円を提供することになっていた。VNExpressによると、建設は2004年9月に始まり、来年完成する予定だった。

 ハノイ(Hanoi)の日本大使館の広報によると、犠牲者の中に日本人がいたという報告は入っていない。また、警察がAFPに語ったところでは、外国人エンジニアが巻き込まれたという情報もないという。

 国連総会出席のため米ニューヨーク(New York)に滞在中のグエン・タン・ズン(Nguyen Tan Dung)ベトナム首相は緊急声明を出し、救出活動を急ぐとともに、事故原因を究明するよう促した。(c)AFP/Tran Thi Minh Ha and Le Thang Long