【9月26日 AFP】動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」に代表される現代の情報通信技術がミャンマーの反政府デモを世界中に伝えている。

 約3000人が犠牲になった1988年の民主化要求デモから約20年。当時と決定的に異なるのは、インターネット、携帯電話、デジタルカメラが広く普及した点だ。

 ミャンマーの亡命反政府活動家らがインドで運営しているニュースグループMizzima Newsの編集長Sein Win氏は「これがグローバリゼーションの現実だ。もはや軍事政権は自らを国際社会から隔離することはできない」と指摘する。

 燃料費の大幅値上げをきっかけにミャンマー最大の都市ヤンゴン(Yangon)で抗議活動が始まった8月19日以来、政府はインターネットのアクセス制限を強化した。しかし、ヤンゴンに約200店あるインターネットカフェは営業を続け、学生たちは、携帯電話やデジタルカメラで撮影した画像を世界に送り続けた。

 対ミャンマー政策に関する米国のロビー団体US Campaign for Burma(ワシントンD.C. )の政策責任者Aung Din氏は「彼らは政府のネット規制を回避してヤンゴンだけでなくマンダレー(Mandalay)からも画像も送っている」と話す。

 1988年の民主化要求デモに参加したDin氏は、当時と現代の違いに圧倒されていると話す。「当時はインターネットどころか海外に電話することさえできなかった。国際社会は1988年の運動をほとんど知らなかったが、今回のデモは世界中が知っている。驚くばかりだ」と語った。

 米カリフォルニア(California)州に拠点を置くマンダレー・ガゼット(Mandalay Gazette)にも毎日多数の写真やビデオがミャンマーから届くという。ある編集者は「学生だけでなく僧侶さえも携帯電話やデジタルカメラを使っている。インターネットはある意味ですべての人を平等にした」と語った。(c)AFP/Shino Yuasa