【9月24日 AFP】中国・北京の故宮(紫禁城、Forbidden City)で営業していた米コーヒーチェーン、スターバックス(Starbucks)が撤退した跡地で、国営の「紫禁城カフェ(Forbidden City Cafe)」が営業を開始した。国営新華社通信(Xinhua news agency)が23日に伝えた。

 同通信によると、故宮の管理当局が経営する紫禁城カフェは、コーヒーのほかに、伝統的な中国茶も扱う。紫禁城の副管理者、Li Wenru氏は「観光客に紫禁城や中国文化と関係のある商品を提供したい」と語っているという。

 スターバックスは2000年、かつての皇帝の居城であり、中国の歴史的遺産の中で最も重要なものの1つと考えられている故宮内での営業を始めたが、同店舗は開店当初から議論の的となり、2年前には一部の看板が撤去されていた。その後、スターバックスは自社ブランド以外の商品の提供を拒否、2007年7月に故宮の店舗を閉鎖した。

 故宮内のスターバックスをめぐっては、同店舗が「故宮の荘厳さを損ない、中国文化を踏みにじる」として、テレビキャスターのRui Chenggang氏が2007年1月に撤退を要請、数千人にのぼるインターネット利用者がこれを支持し、メディアでもこの話題が大きく取り上げられていた。(c)AFP