【9月23日 AFP】20日から29日までスペインで開催される、第55回サン・セバスチャン国際映画祭(55th International Film Festival of San Sebastian)の2日目を迎えた21日、映画『Battle for Haditha』を手掛けた、英監督のニコラス・ブルームフィールド(Nick Broomfield)がインタビューに応えた。

■映画『Battle for Haditha』と監督のコメント

 同映画は、イラク戦争下の2005年に4人の米海兵隊員が、道路脇に仕掛けられた爆弾で殺された同胞の復讐のため、イラクのハディサ(Haditha)で民間人24人を殺害した実際の事件を追い、海兵隊員・イラクの家族・暴動者に焦点を当てて描かれている。

 ヨルダンで行われた撮影にはハンドカメラが用いられ、イラクで任務についた元米海兵隊員の出演がドキュメンタリー映画として重要な役割を果たしている。ブルームフィールド監督は「この映画は、イラクに関する情報がほとんど出されていなかった当時の生の情報を提供できると思う。この戦争には、情報が本当に少ないんだ。」と語った。

 同映画にはいくつかの辛らつなシーンがあり、映画祭の上映会で席を立つ人もいたが、最後まで観賞した来場者からは拍手が送られた。

 2005年11月19日の出来事を忠実に再現することを同映画は求め、偏った視点からの描写を控えいている。「この事件に関して特定のグループを批判することは、問題が複雑すぎるだろう。わたしは、人間の受け止め方を通した単純な形で、事実を再現したかったんだ。」とブルームフィールド監督は語った。

■イラク戦争を描く映画
 
 イラク戦争開始から4年以上経ち、最近の国際映画祭でイラク戦争を描いた作品が注目を浴びている。今月初めにフランスで開催された、第33回ドーヴィル・アメリカ映画祭(33rd Deauville American Film Festival)では『In the Valley of Elah(仮題、エラの谷)』が上映され、8日に行われた第64回ヴェネチア国際映画祭(64th Venice International Film Festival)の授賞式では、ブライアン・デ・パルマ(Brian De Palma)監督が『リダクテッド(Redacted)』で銀獅子賞(監督賞)を受賞している。

 同映画を含む16作品が最高作品賞のゴールデン・シェル(Golden Shel)賞を争い、審査員長は米国人作家のポール・オースター(Paul Auster)が務める。

 スペイン語圏で最も古く、栄誉のある同映画祭は20日、カナダ人監督デヴィッド・クローネンバーグ(David Cronenberg)の映画『Eastern Promises』で開幕し、受賞発表は最終日の29日に行われる。(c)AFP