【9月22日 AFP】(一部更新)過去30年間で最悪規模の洪水に見舞われているアフリカ諸国を支援するため、援助団体が21日、被災者らが直面している危機的状況に警鐘を鳴らし、資金を募っている。

 サハラ以南の大西洋岸からインド洋までを襲った豪雨と洪水は、「ラニーニャ(La Nina)現象」によって発生した。これまでに少なくとも18か国で300人近い死者が出ており、水が媒介する伝染病のまん延が懸念されている。

 ガーナからケニアにかけて、約65万人が緊急的な人道支援を必要としている状態だが、大雨は今後しばらく続くと予測され、状況はさらに悪化するとみられる。

 国際赤十字社・赤新月社連盟(International Federation of Red Cross and Red Crescent SocietiesIFRC)は声明を発表し、今回の災害が、アフリカ大陸の複数の国にまたがる重大な危機に発展する可能性があると警告した。

 政府当局や救援組織が公表したデータをAFPが集計したところによると、洪水の影響による死亡者数は少なくとも270人にのぼっている。

 ウガンダ政府は20日、8月から続いた豪雨で甚大な被害を受けた同国北部および東部に非常事態を宣言した。

 救援隊員らは、医療体制がぜい弱なアフリカ東部が伝染病の危機にさらされていることから、死者数が急激に増加する可能性を指摘している。

 もっとも被害が大きいスーダンでは、60人以上が洪水によって死亡している。また、隣国のウガンダ、ケニア、エチオピアも豪雨による打撃を受けており、コレラなどの水を媒介とする伝染病が、家を失った栄養状態の悪い住民数十万人の間でまん延する可能性がある。(c)AFP