【9月21日 AFP】5月に9日間に渡り行われた自転車ロードレース選手、フロイド・ランディス(Floyd Landis、米国)のドーピング疑惑に関する公聴会の評決が20日に下され、2対1の多数決により同選手に対し2006年ツール・ド・フランス(2006 Tour de France)の総合優勝タイトル剥奪と2年間の出場停止の処分が下された。

 今回の決定に関しランディスは、「今回の決定は、アスリートや自転車競技選手にとって大きな衝撃だ。訴訟での基礎となる部分を証明できない米国反ドーピング機関(USADAUnited States Anti-Doping Agency)に有利な判決を下すことは、訴訟制度そのものに基本的な欠陥があることを示している。私は無実であり、我々は私が無実であると証明した」との声明を出した。

 決定に不服の場合、スポーツ仲裁裁判所(CASCourt of Arbitration for Sport)へ提訴することができるランディスだが、過去に訴訟にかかる莫大な費用が問題となっていることを明らかにしている。

 ランディスの広報を務めるPearl Piattさんは、「我々は報告書の内容を詳しく検討しています。提訴するならば、来週になるでしょう」と語り、CASへ提訴するかどうかの判断を下すことを明かした。

 公聴会から約4か月たってからの評決では陪審員の内、Patrice Brunet氏、Richard McLaren氏の2人がランディスに処分を下す判断を、Christopher Campbell氏は無実とする判断を下した。

 ランディスの弁護士を務めるMaurice Suh氏は、「この決定は誤審だ。陪審員の内2人が、AFLD(フランスの反ドーピング機関)が結果を捏造したという誤りを総合的に判断しなかったことに失望した。2人は証言を行った専門化がそれぞれの分野で著名ではないという理由で、彼らの証言を軽視した」と語り、決定を非難した。

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