【9月20日 AFP】サッカー、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)の指揮を執るジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督の退団が20日、クラブ側の正式発表により明らかとなった。

 モウリーニョ監督の退団は、英国放送協会(BBC)や英国内メディアにより報じられていたが、チェルシーはクラブのウェブサイト上で、「チェルシーとジョゼ・モウリーニョは両者合意のもと、別々の道を歩むこととなった」と発表し、退団の事実が確認された。

 今回の突然の退団は、モウリーニョ監督とオーナーのロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏との関係悪化が臨界点に達したことが原因と見られており、チェルシーとモウリーニョ監督との関係は4年目にして突如として終焉を迎えた。

 モウリーニョ監督はスタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge stadium)で19日未明に開かれた会議でクラブ側と退団で合意に達しており、その会議に向かう途中でフランク・ランパード(Frank Lampard)をはじめ主力選手に退団する意向を伝えていたと報じられている。

 FCポルト(FC Porto)を欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)制覇に導いて世界にその名を知らしめたモウリーニョ監督は、2004年にチェルシーの指揮官に就任して以来2シーズン連続でプレミアリーグを制覇し、2007年にはFAカップ(FA Cup)を、2005年と2007年にはカーリング杯(Carling Cup)を制するなどその手腕は確かで、退団後は監督就任のオファーに事欠くことは無いものと思われている。

 英国での初めての会見で自身を「特別な存在」と語りサポーターの間で議論を巻き起こしたモウリーニョ監督は、就任以来185試合で124勝21敗40分けの成績を収め、リーグ戦ではスタンフォード・ブリッジで60試合無敗の記録を打ち立てるなど傑出した実績を残しており、クラブに50年ぶりのプレミアリーグ優勝をもたらしたことをはじめ、チェルシーを欧州で最も恐れられるチームの一つに育て上げ、3年が経過した今ではサポーターの間でその発言がほとんど話題に上ることはなくなり、尊大な言動を確かな結果で証明しているが、選手の獲得方針などを巡ってアブラモビッチ氏との関係は徐々に冷え切っていき、もはや修復不可能な段階にまで達していた。

 2003年にオーナーに就任して以来アブラモビッチ氏は、クラブに約5億ポンド(約1116億円)の巨額を投じているもののチェルシーは未だに欧州チャンピオンズリーグのタイトルを獲得しておらず、プレーのエンターテインメント性の観点ではアーセナル(Arsenal)やFCバルセロナ(FC Barcelona)、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の後塵を拝しており、アブラモビッチ氏はチームの結果と内容に痺れを切らし次第にチーム編成にまで口を挟むようになっていった。

 モウリーニョ監督はリーグ3連覇を逃したのはアブラモビッチ氏の補強方針に問題があったと考えており、両者は06-07シーズン途中に確執が伝えられ、シーズン終了後には一旦は和解が報じられていたが、18日に行われた欧州チャンピオンズリーグ2007-08(UEFA Champions League 2007-08)・グループリーグB・第1節でローゼンボリ(Rosenborg)とホームで1-1で引き分けたことと、試合前にモウリーニョ監督がアブラモビッチ氏の選手補強を暗に批判したことが引き金となり、両者の緊張状態は極限に達していた。

 チェルシーはリーグ戦でも開幕から振るわず(3勝1敗2分け)スコアレスドローに終わった15日のブラックバーン・ローバーズ(Blackburn Rovers)戦ではベンチ裏のモニターをグラウンドに叩きつけるなどフラストレーションを募らせていたモウリーニョ監督は、アブラモビッチ氏の肝いりで獲得したものの不振が続いているアンドレイ・シェフチェンコ(Andriy Shevchenko)にもその怒りの矛先を向けていた。

 23日に控えるプレミアリーグ第7節のマンチェスター・ユナイテッド戦では、モウリーニョ監督の反対を押し切ってアブラモビッチ氏がスポーツディレクターに任命したアブラハム・グラント(Avram Grant)氏が指揮を執るものと見られているが、新監督にはロシア代表のフース・ヒディンク(Guus Hiddink)監督、前ドイツ代表のユルゲン・クリンスマン(Juergen Klinsmann)氏、セビージャ(Sevilla)のフアンデ・ラモス(Juan de la Cruz Ramos)監督らの名が挙げられている。

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