【9月17日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装勢力「イラクのイスラム国家(Islamic State of Iraq)」が、スウェーデンの新聞に掲載されたイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画の作者と掲載紙の編集主任の2人の殺害に懸賞金を出すと発表した問題で、スウェーデンのフレドリック・ラインフェルト(Fredrik Reinfeldt)首相は16日、冷静な対応を呼びかけた。

 ラインフェルト首相は同日、地元のイスラム教指導者らと会談後、「冷静な対応と『熟考』を求める。暴力行為の呼びかけや、状況を悪化させるいかなる試みも許されない」と述べた。また、言論と表現の自由は守られなければならないと強調した。

 15万ドル(約1700万円)の懸賞金がかけられた漫画家のLars Vilks氏は、ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)紙の取材に対し、「屈服してはいけない。わたしは年もとっているし、いつ死んでもかまわない」と語った。

「イラクのイスラム国家」は、2人が風刺画について謝罪しない場合、スウェーデンの大手企業を攻撃対象とすると警告している。

 スウェーデン・メディアは15日、インターネットを通じて、同組織の警告を非難する声明を発表。ダーゲンス・ニュヘテル紙の編集長は、社説で「この国では、言論が原理主義者や政府により制限されることはない」と述べている。(c)AFP/Delphine Touitou