【9月14日 AFP】12日に英国サリー(Surrey)州で新たに検出された口蹄(こうてい)疫(Foot and Mouth desease)のウイルスは、前週に「根絶」が宣言されたウイルスと同型だったことが14日、初期検査の結果明らかになった。英当局は事態収拾を図っている。

 口蹄疫に感染した牛が見つかったロンドン西部エガム(Egham)付近の農場は、8月に感染が確認された農場からわずか21キロ、またウイルスの出どころとされたパーブライト(Pirbright)の研究所からも16キロの位置にある。

 環境・食糧・農村省(Department for Environment, Food and Rural AffairsDEFRA)は13日、検査によりウイルスが同型であることが「確実になりそうだ」としながらも、「現在は検査中で、全行程が終了するまでウイルスの型を特定することはできない」と明言は避けていた。

 ウイルスが検出された農場の家畜は殺処分されており、周辺の家畜も同様に処分される予定となっている。英政府が口蹄疫の根絶を宣言した矢先の新たな感染発覚だった。

 環境・食糧・農村省はあらためてイングランド内での牛や羊、豚などの家畜を移動禁止とし、スコットランドとウェールズもこれに続いている。

 ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相の広報官は、政府の「根絶」宣言が性急過ぎたのではないかとの見方を否定し、「科学的証拠に基づいた決定だ」と強調した。またデビー・レイノルズ(Debby Reynolds)獣医局長に対する圧力があったのではないかとのうわさについても「事実無根」と退けた。(c)AFP/Prashant Rao