【9月12日 AFP】首相官邸があるロンドンのダウニング街(Downing Street)10番地に、白黒のネコ「シビル(Sybil)」が公式に居住することになったと、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相の報道官が11日に伝えた。

 シビルは、アラステア・ダーリング(Alastair Darling)新財務相の飼いネコ。英国では伝統的に首相はダウニング街10番に、財務相は11番地にそれぞれ居住することになっているが、11番地の住居の方が広いため、ブラウン首相は財務相と居住地を交換していた。そのため、シビルはこのたび10番地に居住することになったという。

 発表後、「シビルが10番地の官邸執務室内を走り回ることになるのか」との質問が出ると、同報道官は「ネコの動きを規制するのは極めて困難なため、執務室内を走り回ることなるだろう。だがブラウン首相夫妻も同件に関しては『問題はない』とみている」と答えた。

■「前任者」のハンフリーは、英首相官邸名物ネコ

 同地にネコが住みつくのは、野良猫としてサッチャー首相時代にやってきて、メージャー首相の時代になっても住み続けた名物ネコ、ハンフリー(Humphrey)以来となる。

 1997年、トニー・ブレア(Tony Blair)氏が首相になった時ハンフリーが「引退」に追い込まれると、「ネコが嫌いなシェリー(Cherie Blair)夫人がハンフリーを追放した」との憶測が飛び交った。

 ハンフリーは、メージャー首相の任期中に消息不明になったことがあり、その際は死亡したとみなされた。ところが官邸近くの医学大学のスタッフがハンフリーの弔辞を読み上げているその時に、当のネコが何食わぬ顔をしてその建物内に入ってきたという。

 1994年にハンフリーに「コマドリ殺害容疑」がかけられたとき、メージャー首相はただちにハンフリー擁護に回ったと伝えられている。

「前任」のハンフリーには、1年に100ポンド(約2万3000円)のえさ代などが政府予算から拠出されていた。シビルに関しては、ダーリング財務相夫妻が飼育代を負担するとされている。(c)AFP