【9月11日 AFP】第32回トロント国際映画祭(32nd Toronto International Film Festival)に出席した米女優ジョディ・フォスター(Jodie Foster)が、新作『ブレイブ ワン(The Brave One)』について語った。

 ニール・ジョーダン(Neil Jordan)が監督を務めた同作品は、1974年にチャールズ・ブロンソン(Charles Bronson)が主演した『狼よさらば(Death Wish)』や、1976年に少女時代のフォスターがロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)と共演した『タクシードライバー(Taxi Driver)』を彷彿とさせる作品。2006年夏にニューヨークで撮影され、今回のトロント国際映画祭で公開された。

■社会の悪を自身の手で罰する連続殺人犯、エリカ 

「私はアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)じゃないし、アクションヒーローでもないわ」と話す身長160センチの小柄なフォスターは、同作で社会の悪を自身の手で罰するため連続殺人を犯す女性エリカ(Erica)を演じた。

 エリカは、ニューヨークでラジオ番組のパーソナリティーを務める心優しい女性。しかし、公園の散歩中に婚約者を殺され、自身も重傷を負ったあと、連続殺人者へと変貌していく。『羊たちの沈黙(The Silence of the Lambs)』(1991)で、殺人鬼を追う捜査官を演じたフォスターは、このエリカを「絶対的に美しく、恐ろしい人物だ」と述べている。

 この作品については「荒削りなテーマを洗練されたスタイルで描いたもの。一般向けの商業映画でありながら、見る人を考えさせる力を持っている。登場人物たちの葛藤と暴力が、この作品を見る人に根源的な感情を経験させるはずだ」と語っている。

■「人を裁くのは神なのか人なのか?」

 米国では、9.11同時多発テロの発生後、国内都市のいたる所で警官の姿が見られるようになったにもかかわらず、人々は常に恐怖や危険を感じている。『ブレイブ ワン』は、今の時代になぜ人々が社会に対しこうした不安を抱き続けているのかという疑問を投げかけていると、フォスターは話す。

 共演者のテレンス・ハワード(Terrence Howard)も、この作品はさまざまな疑問--誰が人を支配する権利を有しているのか、何かが悪い状況に向かっているときに、反抗する権利があるのは誰か、人を裁くのは神なのか人間自身なのか、を問いかけるものだと述べている。「自然の法と人間が築いた法との間には、奇妙な相違がある。私たちはそのバランスを取ろうとしているが、誰が正しくて誰が悪いのか見えにくい場合もある」(c)AFP