【9月5日 AFP】2002年7月にドイツ・スイス国境付近で、2機の航空機が空中衝突し71人の死者を出した事故について裁判所は4日、スイスの航空管制機関(スカイガイド、Skyguide)の管制責任者4人に対して、業務上過失致死で有罪判決を下した。

 スイスのニュース・メディアATSによると、チューリヒ(Zurich)近郊のBuelach地方裁判所は、「4人の責任者は、事故当時に管制官を1人しか置いておらず、安全に対する注意を怠った」として、スカイガイドの幹部3人に執行猶予付き禁固1年、事故発生時に管制業務の責任者だった1人に禁固90日に相当する1万3500スイスフラン(約130万円)の罰金を言い渡した。一方、スカイガイド従業員である管制官4人は全員は無罪となった。

 また、事故発生時に実際に管制業務を受け持っていた管制官は、2004年2月に、事故で妻と子ども2人を失ったロシア人男性により刺殺されている。

 事故は2002年7月1日夜、ロシア・バシキール航空(Bashkirian Airlines)の旅客機とDHL貨物輸送機がドイツ・スイス国境付近で、空中衝突し、71人が死亡。犠牲者の大半は、旅行でスペインに向かっていたロシアの子どもたちだった。(c)AFP/Peter Capella