【9月2日 AFP】シンガポールに2008年3月、世界最大の観覧車が完成する。

 現在工事が進められている観覧車、「シンガポール・フライヤー(Singapore Flyer)」は、完成時には高さ165メートル、建物にすると42階に相当する高さになり、人が乗るゴンドラは市バスほどの大きさでエアコンが完備され、最大28人が乗車可能となる。37分かけて一周し、歩いても揺れや振動を感じることはないという。

 同プロジェクトの責任者は、「いままでの観覧車とは全く別物。いちばん上からの景色は特に素晴らしい」と胸を張る。

 観覧車は2009年に完成予定のカジノ商業施設、Marina Bay Sandsの向かいの湾岸地区に建設され、また2008年に開催されるF1グランプリ(Formula One Grand Prix)のピットのすぐそばとなる。

 乗車券は一人当たり29.50シンガポールドル(約2240円)。開発業者によると、四方45キロにおよぶ景色だけでなく、隣国のマレーシアとインドネシアも一望できるという。

 2億4000万シンガポールドル(約182億円)の総工費をかけたこの事業は、ドイツの投資家の支援を受ける個人事業によって運営される。土地の賃貸料については明らかにされていないが、同プロジェクトに入札したのは1社のみだったという。

 観覧車の下広がる商業施設にはさまざま店舗やレストランがあり、商談からウェディングまで幅広くサポートする。商業施設の設計は、黒川紀章建築都市設計事務所(Kisho Kurokawa Architects and Associates)がシンガポールのDP Architectsと共同で担当。建設工事は三菱商事(Mitsubishi Corp)と竹中工務店(Takenaka Corp)によって行われている。(c)AFP/Ian Timberlake