【8月29日 AFP】イラク駐留米軍は28日、首都バグダッド(Baghdad)のホテルを急襲し、イラン人7人を一時的に拘束した。拘束されたイラン人らは目隠しと手錠をされて米軍に連行されたが、29日に釈放された。

 今回の拘束事件により、すでに高まっている米国とイランの緊張に拍車がかかることが予測される。前日、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領はイランについて、国家テロリズムの世界的首謀者だと非難し、駐イラク米軍司令官らにイランの「殺害行為」に対して戦うよう命ずる演説を行った直後だった。

 バグダッド駐在のイラン大使が明らかにした経緯によると、7人は28日、同市内のシェラトン・ホテル(Sheraton Hotel)から米軍に拘束されたが、翌日午前釈放され、イラクの首相府に引き渡された。ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)イラク首相の広報顧問Yassin Majid氏も、7人の身柄を引き受けたことを認めた。

 国営イラン通信(IRNA)によると、拘束された7人は「イラク政府の招きで訪問したイランのエネルギー省派遣の代表団で、正当な理由なく拘束された」という。同国のエネルギー省では不快感をあらわにしている。

 イラクにおける米軍によるイラン人拘束は、今年に入り2回目。1月11日にはイラク北部クルド人自治区の都市アルビル(Arbil)にあるイラン領事館を米軍が捜索、イラクの反米勢力への支援容疑で領事館関係者5人を拘束した。5人は現在も米軍の収容施設に拘束されている。

 英BBC放送は、28日の拘束状況をとらえた映像を放映し、7人の身元はイラクの発電所建設を援助するイランの専門家だと報じた。7人は夕食中に拘束され、中には女性も含まれていたという。

 ホテル職員は「夜8時頃にホテルに到着した米軍が二手に分かれ、片方のグループがイラン人らの滞在階へと進入した。当時イラン人グループはホテルのレストランで食事中だったため、米兵数人がロビーに出るよう指示した。滞在階から戻った一隊は、中身の不明な袋を持って戻ってきた。目隠しされ、手錠をかけられた7人は、イラク人の警護員とともに連れ去られた。大きな争いはなく終始静かだった」と証言した。

 イラン政府は同国の核開発は完全に平和利用目的で、化石燃料が枯渇しつつある中で人口増を抱える同国にとって、核開発は必要不可欠だと主張している。(c)AFP/Jay Deshmukh