【8月31日 AFP】ダイアナ元妃の事故から10年、彼女の人生に関わった人々のその後を追った。

■元夫:チャールズ皇太子(Prince Charles、58)。エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が退位する兆しがないまま、王位継承に備えている。皇太子夫妻の離婚の要因となったとして非難されたカミラ(Camilla)夫人との不倫に関して、ダイアナ元妃の死後に中傷を受けた。しかし、2人の息子への愛情を見た国民は徐々に皇太子を支持。2005年に2人が再婚した際には、国民はしぶしぶ皇太子の幸せを受け入れた。

■2人の息子:ウィリアム王子(Prince William、25)とヘンリー王子(Prince Henry、22)。それぞれ王位継承権第2位と第3位。王室の伝統に沿って軍に入隊。それぞれの恋人との関係が、ダイアナ元妃の死へとつながったメディアの過熱ぶりと同様の注目度で報道されている。

■君主:エリザベス女王。女王がダイアナ元妃の葬儀の前夜までテレビの前で語らず、葬儀当日までバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)に半旗が掲げられなかったとき、国民の悲しみは怒りへと変わった。王室のよそよそしい態度への国民の怒りは、王室を傷つけただけでなく、その将来に対する疑問も投げかけた。しかし、これにより王室の物事への取り組み方は変わり、王室に人間的な表情がもたらされた。そして、女王は、王位に就いた1952年以来、仕えてきた国民の支持を取り戻した。

■もう1人の女性:カミラ夫人(60歳)。2005年に皇太子と結婚し、コーンウォール公爵夫人(Duchess of Cornwall)となる。2人の関係は、両者が結婚する以前にさかのぼる。皇太子夫妻の離婚の要因になったとして中傷を浴びたカミラ夫人は、1995年に最初の夫であるアンドリュー・パーカーボールズ(Andrew Parker-Bowels)氏と離婚。現在は目立たぬようにしているが、徐々に公式行事に参加するようになった。31日の追悼式典には、「式典の目的から注意をそらす」可能性があるとして、欠席することを明らかにした。

■血の繋がった家族:2度の離婚歴を持つ弟、スペンサー伯爵(Earl Spencer、43)。ダイアナ元妃が埋葬されているオールソープ(Althorp)の邸宅を守り、元妃を追悼するため博物館をオープンさせた。元妃を死へと追い込んだとしてマスコミを非難し、葬儀では「王室の窮屈な伝統」から2人の息子を守ることを誓う式辞を述べ、注目を浴びた。生家についての2冊の書物を含む歴史書も書いている。母親のFrances Shand Kyddさんは2004年に死去。父親であり、セントポール大聖堂(St Paul’s Cathedral)での挙式で、元妃をエスコートしたスペンサー8世は、元妃の死亡以前に亡くなっている。

■息子を亡くした父親:ダイアナ元妃の交際相手だったドディ・アルファイド(Dodi Fayed)氏の父親モハメド・アルファイド(Mohammed Al Fayed)氏。パリの交通事故は単なる事故ではなく、英国の諜報機関がもみ消しを行っていると信じ続けている。エジプト人であり、高級百貨店ハロッズ(Harrods)のオーナーでもあるモハメド氏は、元妃とイスラム教徒との結婚を王室が容認できなかったため、2人は殺されたと主張している。

■首相:トニー・ブレア(Tony Blair)元首相。10年間首相を務めた後、6月に退陣。現在は、中東和平4者協議(Middle East Quartet)の特使に就任している。元妃の死亡時には、新しく就任した労働党の首相として、声明の中で元妃を「People’s Princess」と呼び、国民の悲しみを理解しているとして広く受け入れられた。

■ボディガード:ドディ氏のボディガードであり、事故の唯一の生存者であるトレバー・リース・ジョーンズ(Trevor Rees-Jones)氏。イングランド中西部で家族と衣料品店を経営し、静かな生活を送っているのが最近、確認された。事故で重傷を負い、複雑な手術を受けたジョーンズ氏は、自身の経験に基づき、2000年に『The Bodyguard’s Story』を出版した。

■執事:ダイアナ元妃の死亡時まで、10年間仕えた元執事のポール・バレル(Paul Burrell)氏。元妃の死後に暴露本を出版し、物議を醸した。その後は、テレビのリアリティ番組に出演、没後10周年を迎えるにあたり、新著の出版を予定している。

■カメラマンたち:ダイアナ元妃が乗車し、事故を起こした車を追いかけたカメラマンたちの多くは、現在も同様の活動を続けている。彼らに対する刑事裁判は1999年に終了したが、フランスの厳格なプライバシー保護法の下で、カメラマン3人に対する裁判は現在も続いている。(c)AFP