【8月29日 AFP】アゼルバイジャンの首都バクー(Baku)で28日に建設中のビルが崩落した事故で、29日までに5人の死亡が確認された。

 非常事態省の報道官によると、ビルが崩壊した28日に2人の遺体が搬出されたのに続き、夜間に3人の遺体が発見された。また、負傷者2人が救助されたが、うち1人は重傷との情報もある。

 同報道官はこれまで、行方不明者を15人と発表していたが、のちに5人である可能性を示した。

 当局は、安全基準を無視したビル建設が崩落の原因とみて、建設請負会社の代表2人を拘束した。

 国営テレビAzerbaijan Televisionによると、崩落したビルは16階建ての設計で、12階まで建設が終わっていたという。しかし、ビルは12階から17階建てだったと伝えている別のメディアもある。

 バクーでは建設ブームが真っ盛りで、市内各所で高層ビルの建設が進められている。エネルギー資源豊かなアゼルバイジャンは、原油や天然ガスの輸出の急増を背景に、過去最高の経済成長を達成している。

 一方で、不動産開発業者が安全基準を軽視しているとの懸念も浮上している。バクーは地質断層線上に位置しており、適切な建築基準がなければ、大規模な地震で相当の被害や死者が出るとの危険性が指摘されている。(c)AFP