【8月19日 AFP】20世紀の最も影響力のある映画監督の1人、スウェーデンのイングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman、89)の葬儀が19日、バルト海(Baltic Sea)に浮かぶスウェーデンのフォーレ(Faro)島で執り行われ、埋葬された。

 葬儀の詳細については明かされず、メディア関係者や野次馬達は警察やガードマンによって港で足止めされた。

 葬儀には家族と友人が出席し、その中にはベルイマン監督作品に出演した経験のある女優のビビ・アンデルセン(Bibi Andersson)とリブ・ウルマン(Liv Ullman)もいた。

 スウェーデンの通信会社TTは、「本人の希望に沿い、葬儀はフォーレ島の伝統に従って行われました」とベルイマンの家族の声明文を伝えた。

 葬儀は中世に起源を持ち、半旗の位置にスウェーデン国旗が掲げられているフォーレ教会で執り行われた。その間、2つのスウェーデンの賛美歌が歌われ、バッハの無伴奏チェロ組曲第5番がチェロ奏者によって演奏された。

「ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)」紙のウェブサイトによると、フォーレ島でベルイマンが隠遁の場所としてこよなく愛した住居のデザインに協力した大工が、彼の為に簡素な棺桶を用意していたという。

 ベルイマンは1995年に死去した妻のIngrid von Rosenさんの側に埋葬され、墓石の上には夫婦それぞれの名前が掲げられていた。

 ベルイマンは1957年の『第七の封印(The Seventh Seal)』や、最優秀外国語映画賞(Best Foreign Language Film)を含む4部門でオスカーを獲得した1982年の『ファニーとアレクサンデル(Fanny and Alexander)』などで世界中から称賛された。

 多くの熱狂的映画ファンにとってベルイマンは、50年、60年代においてフェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)、ルイス・ブニュエル(Luis Bunuel)、ジャン・リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)らに勝る最も優秀な映画監督であった。

 1945年に映画『危機(Crisis)』を初監督したが、世界的に称賛されるようになったのは1956年のカンヌ映画祭(The Cannes Festival)で『夏の夜は三たび微笑む(Smiles of a Summer Night)』が上映されてからだった。

 30年以上に渡り年間平均1作品のペースで映画作品を製作したベイルマンの作品には、『野いちご(Wild Strawberries)』(1957)、『処女の泉(The Virgin Spring)』(1960)、『Through a Glass Darkly』(1961)、『冬の光(Winter Light)』(1963)、『ある結婚の風景(Scenes from a Marriage)』(1973)、『秋のソナタ(Autumn Sonata)』(1978)、『サラバンド(Saraband)』(2003)等がある。(c)AFP