【8月9日 AFP】世界母乳育児週間(World Breastfeeding Week、今月1日から7日まで)にちなみ、一斉授乳をおこなう母親の数のギネス世界記録(Guinness World Record)樹立を目指すイベントが8日、世界数か国で同時開催され、キプロスの首都ニコシア(Nicosia)では54人の母親が参加した。

 このイベントは参加者が同時に公衆の面前で1分間、授乳を行うというもので、母乳育児の重要性を訴えることが狙い。キプロスでは公衆の面前での授乳は今もタブーとされており、街角で母親が子どもに授乳を行う姿が見られることはまれ。こうした背景から、キプロスの母乳育児を推進することを目的に、同イベントが開催された。

「母乳育児は赤ちゃんの健康にとって最も理想的だとアピールする目的は十分達成できたと思う」と語るのは、イベント主催者のPaphiti-Demetriouさん。

 キプロスのCostas Kadis保健相は自身が父親になって間もなく、このイベントを「素晴らしい画期的なもの」と絶賛。こうした運動を積極的に支援する意向だという。

 参加者の1人で、生後5か月の乳児の母親のエレナ(Elena)さんは、「前向きな取り組みとして、すべての母親に勧めたい」と話す。

 一斉授乳の世界記録に挑戦するイベントは、キプロスのほかアルゼンチン、ウクライナ、英国、インド、日本で開催された。

 過去の記録は、フィリピンで2006年に母親2万2000人が一斉に授乳して樹立した。

 世界保健機関(WHO)によると、母乳育児は乳児に必要な栄養を与える最も理想的方法で、病気の感染予防の免疫力を高め、健全な成長と発達を促すという。(c)AFP