【8月8日 AFP】東ティモールで8日、シャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)前大統領が首相に就任した。グスマン新首相は宣誓式で国内の統合を誓った。一方、グスマン氏の首相就任に異議を表明している前与党、東ティモール独立革命戦線(フレティリン、Fretilin)は宣誓式への出席を拒否した。

 ジョゼ・ラモス・ホルタ(Jose Ramos Horta)大統領が執り行った宣誓式でグスマン氏は、「神と人々に誓って、また私の名誉にかけて、任命された役割を忠実にまっとうする。憲法と法を順守して行使し、私のすべてのエネルギーを独立と国内統合を守り、定着させることに注ぐ」とポルトガル語で述べた。

 また自身の首相就任について「変化を待ち望んでいるティモールのすべての人々の政治的意志の表れだ」と述べた。

 同国独立の英雄と目されているグスマン氏だが、東ティモールでは首都ディリ(Dili)での暴動に発した混乱により1年以上にわたり、国内の緊張と政情不安定が続いている。さらに貧困問題を抱え、新政権には課題が山積みだ。

 宣誓式には議員や各国の外交官、カトリック教会の高位の聖職者、国連東ティモール統合支援団(UN Integrated Mission in Timor-LesteUNMIT)のAtul Khare事務総長特別代表らが出席した。混乱を恐れて外部では旧宗主国ポルトガルの兵士らが警備についた。

 副首相にはフレティリンから分離し、総選挙期間中にグスマン氏と合流したジョゼ・ルイス・グテレス(Jose Luis Guterres)前外相が指名されたほか、12人の閣僚も決まった。

 総選挙で第1党となったフレティリンを除いた野党による連立が成立し、ホルタ大統領が6日、グスマン氏を首相に任命すると発表したことで、首都ディリのほか数か所の都市で、小規模の暴動などが散発的に起こっていた。(c)AFP/Nelson da Cruz