【8月7日 AFP】2006年10月、アフリカのマラウイ(Malawi)に住む1歳の男の子デビッド・バンダ(David Banda)君の養子縁組を申請し、現在ロンドンで、18か月間の暫定的な養育権を与えられているマドンナ(Madonna)の前に思わぬ障害が立ちはだかった。養子縁組の際に必要となる、マドンナとデビッド君の生活ぶりを査察するソーシャルワーカーが、マラウイに足止めを食らっているというのだ。

■ソーシャルワーカー、渡英中止

 5日付けのサンデー・タイムズ(Sunday Times)紙によれば、マドンナの生活ぶりを査察することになっていたソーシャルワーカーのPenston Kilembeさんは、マラウイ母子発育省のケイト・カインジャ(Kate Kainja)大臣から渡英を中止させられたという。

 裁判所はKilembeさんに対し、デビッド君の生活ぶりを監視し、裁判所と女性・児童発展省に報告するよう命じていた。その際、Kilembeさんの渡英にかかる費用などはマドンナが負担することになっている。

■査察が最後の法的難関

 Kilembeさんは、「この役目は、誰かに任せられるものではない。つまり、私以外にデビッド君を見守れる人間はいないんです」と、自分だけが公平な評価判断ができる人物であると語る。さらに自分を引き留めることで、マドンナの育児から「デビッド君が離れてしまう可能性があり、とても危険だ」とも語っている。

 この査察は、マドンナがデビッド君を養子に迎える際の、最後の法的難関とされている。 

■足止めの理由は?

  彼女がロンドンを訪れる予定だったのは7月8日から12日。しかし、カインジャ大臣が2度に亘り渡英を引き留めたという。

 政府職員が旅行費用を使用するべきではないと主張するカインジャ大臣は、「マドンナに、デビッドにとってもっと有意義なお金の使い方をしてもらいたい。彼女はすでに多くの金額をデビッドに費やした。これ以上、無駄なお金を使うべきではない」とコメント。

 今後も査察が行われる可能性はあるというが、すでにロンドンにいる別の担当者が行えばとよいという構えだ。

 「キリスト教徒として、マドンナがこれ以上政府職員にお金を使うことは許せない。彼女は、デビッド君を養子に迎えることで、すでに我々を助けてくれているからです」。(c)AFP