【8月7日 AFP】F1第11戦・ハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2007)で論争の的となったマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のチーム内に起きた緊張は、フェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)のチームでの未来に大きな疑問符を覆った。

 同大会の予選でアロンソが意図的にピットアウトのタイミングを遅らせてチームメートのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)の最終アタックを妨害したとされる問題で、マクラーレンのロン・デニス(Ron Dennis)代表は、様々な臆測が飛び交うのは避けられないとした。

 マクラーレンは、ピットで遅れたのはハミルトンのミスであるとしチームの指示を無視してアロンソを先にピットストップさせてチームに混乱をもたらしたと主張したが、国際自動車連盟(Federation Internationale de l’Automobile:FIA)は主張を聞き入れず、アロンソに対してポールポジションから6番グリッドへの降格というペナルティーを科し、チームに対しても同大会で獲得したコンストラクターズポイント(15ポイント)を剥奪した。

 決勝を終えたハミルトンは「アロンソは私と話そうとしない。これは2008年のドライバーズラインアップを考えているライバルチームに表面上の関心を寄せさせたことになる」と語った。アロンソには、ニック・ハイドフェルド(Nick Heidfeld)と2008年の契約をいまだ交わしていないBMWザウバー(BMW Sauber)や、アロンソ自身が過去2シーズン在籍しワールドチャンピオンに輝いたルノー(Renault)が喜んで名乗りを上げるとみられている。

 ルノーのマネジャー、フラビオ・ブリアトーレ(Flavio Briatore)氏は、9月に行われる第13戦のイタリアGP(Italian Grand Prix 2007)が終わるまでは2008年のドライバーを決定する予定はないが、このことはブリアトーレ氏が再びアロンソを誘うか否かを考える時間を得たことを明白に示す。しかし、ブリアトーレ氏は「私はアロンソの件に関しては何も知らない。我々はその件で一度も話し合ってない。これは我々でなくマクラーレンの問題だ」とアロンソ獲得の計画を否定している。

 一方、デニス代表は2008年の終わりまで契約を交わしているアロンソとハミルトンの両方がチームに必要という意見を示しており、ブダペストを離れる前に、「他チームによって様々な臆測が飛び交い、議論がされるのは仕方ない。我々には数年間の契約を結んでいる2人のドライバーがおり、我々はその契約を尊重するし、2人のドライバーにもお互いを尊重してもらいたい」と語っている。

 しかし、ワールドチャンピオンを懸けて火花を散らす両者を満足させることは、デニス代表には不可能だろう。ハミルトンは現在、ドライバーズランキングでアロンソに7ポイント差をつけている。アロンソは、チームがハミルトンをひいきしていると話せば、ハミルトンも周知の話だが第5戦のモナコGP(Monaco Grand Prix 2007)でアロンソに1位を譲らされたりとチームに不満を抱いている。

 両者に平等な扱いを約束し続けているデニス代表だが、最近はその約束を守るのが難しくなっている。「2人のドライバーを管理することは難しい状況だ。私はその事は十分に認識している。しかし、それが私の仕事である以上、チームにプラスになることは何でも取り入れていかなければならない。そして今大事なのは2人のドライバーを平等に扱う姿勢をしっかりと見せていくことです。我々はこうしたレベルの高い競争を見せてくれることに感謝している。なかなか決断しづらいのは承知しているが、我々のチームの原則を曲げることはできない。平等を実現するためにはどんな努力も惜しまない」と語っている。

 デニス代表は数日間休みを取る予定だが、休み明けからはマクラーレン内で起きている内紛を収めるための重要な任務が待っている。(c)AFP/ANDREW FAGAN