【8月2日 AFP】米玩具大手フィッシャー・プライス(Fisher-Price)は1日、塗料に有害な鉛が含まれている恐れがあるとして、同社が販売した中国製子ども向け玩具100万個近くを回収すると発表した。

 回収対象の玩具は、5月から8月の間に全米で販売されたもので、同社が発表した声明によると、これらの製品に使用された塗料には許容量を超える量の鉛が含まれていたという。

 対象製品は遊具、ミニカー、フィギュア、楽器など80品目におよび、子ども番組専門チャンネルのキャラクター商品などが多いという。幼児向け人気テレビ番組セサミストリート(Sesame Street)などの関連製品もあり、回収対象製品の合計は96万7000個に上るという。
 
 これを受け、米消費者製品安全委員会(US Consumer Product Safety CommissionCPSC)も「該当玩具を購入した消費者は玩具を子どもの手の届かない場所に保管したうえで、フィッシャー・プライスに連絡を」と呼び掛けた。

 同社の親会社である玩具大手マテル(Mattel)では、製造元は同社が独占契約を結んでいる中国の玩具製造業者1社としているが、業者名やその所在地については明らかにしていない。

 同社のRobert A. Eckert会長兼CEOは声明文のなかで、「回収で迷惑を被る方々や問題製品を購入したすべての人々に謝罪する」と述べ、「わが社の製品を愛する子どもたちに与えた親たちの信頼を裏切ってしまった。信頼を取り戻すべく問題を是正し、製造工程の改善に迅速かつ責任をもって取り組む」との決意を示した。

 人体に有害な鉛には幼児の健康を大きく害する恐れがあり、場合によっては脳機能の損傷や血液疾患を発症することもあるという。

 米国では、今年に入り中国製品から有害物質が発見される事例が相次いでいる。

 6月にも、「機関車トーマス(Thomas the Train)」の中国製の木製玩具から鉛を含んだ塗料が発見され、輸入元のRC2 Corpが同製品150万個を回収している。(c)AFP