【7月31日 AFP】30日に享年89歳で死去したスウェーデンを代表する伝説的映画監督イングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman)をしのび、ハリウッドの監督たちがこぞって賛辞を贈った。

 アメリカ監督組合(Directors Guild of AmericaDGA)のマイケル・アプテッド(Michael Apted)会長は同日、ベルイマンを死を悼む声明を発表し、「ベルイマンは監督の中の監督です。彼が作った美しく複雑で洗練されたな映画は、永遠に心に刻み込まれています。ベルイマンは世界中の映画制作者に、同じような情熱で独自の作品を作り上げるよう刺激を与えました」とたたえた。

 DGAは1990年、ベルイマンに生涯功労賞(Lifetime Achievement Award)を授与。これについて同会長は、「ベルイマンの才能の真の深さは、生涯にわたる映画制作に表れています。ベルイマンの忘れ去られることのない数々の作品に対し、当協会は生涯功労賞を贈りました」と語っている。

 自分にとって最も偉大な英雄で最も大きな影響を受けた人物はベルイマンだったという、映画監督のウッディ・アレン(Woody Allen)も、監督に賛辞の意を述べた。

「イングマール・ベルイマンの死に深い悲しみを感じています。彼は友人であるとともに、私の人生で最も偉大な映画人でした」

 さらに、「彼は自分がとても暑い日に死ぬことを恐れていました。今はだた、彼の望む天気の中で息を引き取れたことを願うほかありません」と、ベルイマンに最後となるジョークを贈った。

 アレン監督はこれまでにも、ベルイマンを称賛してきた。1975年作品の『ウッディ・アレンの 愛と死(Love and Death)』は、ベルイマンの1957年の『第七の封印(The Seventh Seal)』へのオマージュとして制作したものだという。

 ベルイマンは、1957年の『野いちご(Wild Strawberries)』や1982年の『ファニーとアレクサンデル(Fanny and Alexander)』などの作品で、アカデミー賞に6回ノミネートされた。最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀作品賞の受賞は逃したものの、1971年に名誉賞を授与されている。(c)AFP