【7月30日 AFP】米ロックバンド、KISSのヴォーカリストのポール・スタンレー(Paul Stanley)が29日、カリフォルニア(California)州のサン・ジャシント(San Jacinto)公演でのパフォーマンスを突如キャンセルした。脈が通常以上に早くなってしまったためと本人は自身のウェブサイト上でコメントを発表している。

 55歳のポール・スタンレーは、ファンへ宛てたコメントで、救護隊員にすぐに連絡が入って、脈が正常に戻るように手当てしてもらったとしている。

 また「今回の件が生命に関わるものかどうかは分からないから、それが一層自分にとっては気がかりだ」とも話す。

 「救護隊員とシーダーズ・サイナイ(病院)の心臓専門医と相談した後、自分の最悪のケースを確めてもらった。私がショーでパフォーマンスをすれば、自ら危険にさらしてしまうだろうと言われた」と続ける。

 一方公演は、スタンレー不在のまま行なわれた。

 「彼不在でもショーやるべきだと言ったのは、ポール自身だったんだ」とKISSは公式ウェブサイト上にコメントを発表している。

 とりわけ長い舌でよく知られているKISSのメンバー、ジーン・シモンズ(Gene Simmons)は、ステージ上を歩いて行き、この件に関してファンに報告し、KISSがこのままライブを続けるべきかをファンに尋ねた。

 「観客は、割れんばかりの『YES』の大合唱で応えてくれた」とKISSは話す。そして、その公演はスタンレーへ捧ぐイベントとなった。

 KISSは1973年にニューヨークで結成され、白と黒の顔面メイクと、異様なコスチュームを身にまとい、花火や煙幕を用いた派手なステージ演出で良く知られている。

 同グループは1980年代に解散したものの、1990年代中頃になって再結成された。シモンズとスタンレーの2人がオリジナルメンバーとして残っている。(c)AFP