【7月25日 AFP】ロンドンで24日、地下鉄の警備状況を調べるため車両に偽物の爆弾を仕掛けようとした英紙記者2人が逮捕された。

 2人は大衆紙「デーリー・ミラー(Daily Mirror)」の記者で、同日午後、ロンドン地下鉄ベイカールー(Bakerloo)線の終点ストーンブリッジパーク(Stonebridge Park)操車場で「爆弾のような物」を所持していたことから、地下鉄職員が英交通警察に通報。駆けつけた警察は2人を不法侵入の疑いで近くの警察署に連行した。

 警察当局によると、2人の取調べを行ったところ、犯罪に当たる行為は発見されていないという。同記者らの氏名は明らかにされていない。

 一方、デーリー・ミラー広報は、同紙記者の行為は「合法かつ正当な取材行為だ」と主張した。

 同紙は、2006年にも核廃棄物を積んで再処理施設に向かっていた列車に「偽爆弾」を持ち込むことに成功し、警備の甘さを浮き彫りにしていた。今回、偽爆弾の持ち込みに失敗したことは、「交通機関の警備が改善されたことの証しで、喜ばしいことだ」と述べた。

 英国の大衆紙の「お騒がせ取材」は珍しいことではなく、デーリー・ミラー紙は以前、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の公邸、バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)の使用人募集に、経歴を偽って同紙記者を応募させ非難されたこともある。

 また、サン(Sun)紙は2005年、ロンドン郊外のウィンザー城(Windsor Castle)内にあるエリザベス女王の私邸数メートルのところまで、「爆発物」と書かれた箱を積んだ車を侵入させるという事件を起こしている。(c)AFP