【7月25日 AFP】2005年、米国南部に大きな被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ(Hurricane Katrina)」で被災したニューオーリンズ(New Orleans)の病院で、重症の患者を安楽死させた疑いで告発されていたアンナ・マリア・ポー(Anna Maria Pou)医師に対し、ニューオーリンズ大陪審は24日、不起訴の判断を下した。

 被災当事、夏の暑さのなか「カトリーナ」による大洪水に見舞われた多くの病院が、米政府の対応が遅れたうえに空調や医療機材も故障して大混乱に陥り、「患者への対応に苦慮した職員らが安楽死を行っているのでは」との風評が流布していた。ルイジアナ(Louisiana)州の捜査当局は1年前、「カトリーナ」の被害で病院が混乱状態にあるなか、少なくとも4人の重症の高齢患者に対し、致死量の鎮痛剤を投与したとしてポー医師を逮捕した。

 この問題は安楽死をめぐる大論争を呼び起こしたほか、災害時に避難勧告が出されようとも病院での職務をまっとうすることを要求される医師や看護士の責任についての疑問も投げかけた。

 無罪を主張するポー医師らを支援する声も高まり、3人は「ニューオーリンズの英雄」として扱われるようになり、検視官も「殺人と判断できる決定的な証拠はない」と証言したことから、検察側は面目をつぶされかねない状況に陥っていた。 (c)AFP