【7月24日 東京 上間常正】ピエールとジル(Pierre&Gilles)は、フランスのユニークな2人組み創作ユニット、同時に私生活でも仲のよいパートナーだ。ピエールが写真を撮りジルが手作業のレタッチで修正を加える手法で、仮想でしかありえないスーパーリアルなポートレート作品を生み出してきた。

■現実と夢が交錯する完璧な美の世界

 彼らがいつも目指してきたのは、現実と夢が交錯する完璧な美の世界だ。今回のピアジェ(PIAGET)とのコラボレーションでは、その作風がピアジェと共鳴し合い、高度な技術性と芸術的な美が融合するピアジェの特性を見事に引き出した。

 「僕らが最初に気がついたのは、ピアジェは伝統があるのにとても破天荒なイマジネーションに富んだ創造性があるということだった」。東京での「エクストラヴァガンザ」展のために来日した2人は、ピアジェとのコラボについてまずそう語った。

■光の効果的な表現による幻想的な印象

 制作のテーマは「イマジナリー・ガーデン」だった。「自然を意識しながらも、想像上の祝祭的で華やかな世界を創り上げようと思った」とピエール。だから、たとえば庭を描きながらも「そのままの緑の色は決して使わなかった。そうすれば、それだけでも夢のイメージが入り込んでくる」とジルは説明する。

 作品の背景に散りばめられた花や星屑、海底の生物のような不思議な浮遊物たちが、光の効果的な表現によってさらに幻想的な印象を帯びる。

■本物のピアジェの重さ

 「そうすることで、作品に使われた本物のピアジェの重さが強調されることになった。そしてその存在の時間を超えた永遠さのイメージも表現される結果になったと思う」

 これまでの4作品は広告ヴィジュアルとして使われたが、今回発表した新作は純粋なアート作品だ。ドレス キャンプのデザイナー岩谷俊和(Toshikazu Iwaya)が衣装をデザインし、モデルは杏(Anne)が務めた。ピエールは「まず杏にインスパイアされた。そして日本的な美しさや、アジアに共通する深い美のイメージを表現したかった」と語る。

■西欧的な美と異なる文化のミックス

 「とはいえ、僕らの中にあるのは西欧的な美の感覚。異なる文化がミックスされて新たな美を生み出す。そのエネルギーの根元にあるのはコントラストだ。いまの世界の状況と同じだね」

 二人は最後にこう語った。「ピアジェとピエール&ジルも、コントラストを主張しあいながら、素晴らしいフュージョン(融合)を生み出したんだ。それができたのも、お互いに完璧な自由を保証しあったから」(c)MODE PRESS

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