【テヘラン/イラン 24日 AFP】イランのテヘラン市内で23日から、イスラム的規範に反する服装への厳重な取り締まり運動が始まった。テヘラン市警は、市内の大きな広場にパトカーやミニバスを配備し、夕方の帰宅ラッシュに合わせ厳しい取り締まりを行うとの意向だ。

■テヘラン市内から国内全土へ

 この“秩序の向上”のための運動は現在、テヘラン市内でのみ行われているが、後にイラン国内全土へと拡大される予定だ。

 テヘラン市警情のMehdi Ahmadi氏は、最初の警察隊が派遣された後「決められたトレーニングを受けた人々と協力して、服装違反に立ち向かい、社会安全の向上に努めます。このキャンペーンは継続していきます」と語った。

■西洋的な服屋や美容院も規制対象

 取り締まりの対象には、ベールを正しく着用していなかったり、タイト過ぎるコートを着ていたり、スポーツ用の短いズボンを履いている女性などが含まれる。また、この取り締まり運動には、100人の女性警官も参加している。テヘラン中心部にあるVanak Squareでは女性が逮捕され、女性警官に連行される様子と共に、それを目にした周りの女性が即座にスカーフを深く被り直すといった場面もみられた。

 「男性の場合は、西洋的な髪型や服装をしている者への規制が強化されます。今回の取り締まり運動では洋服屋や、床屋・美容院なども規制対象です」とAhmadi氏。

■裁判所に連れて行かれることも!

 規範に反する服装をした市民を見つけた際、まず警察は口頭による厳重注意を行なう。その際、必要があれば、違反者を逮捕する。時には、裁判になることもある。

 「基本的には、すぐに問題が解決されるのですが、一筋縄では行かない場合もあります。そういう場合の違反者は大抵何度も注意を受けている人物であることが多く、裁判所に連れて行かれます」

■セクハラ、薬物中毒、フーリガンなども対象

 テヘラン市警のAhmad Reza Radan署長は、今回の規制強化はイスラム的服装規範の違反者のみを対象にしているわけではなく、社会の安全性を脅かす全ての人間が対象であると強調している。

 「今回は、路上でのセクハラ、薬物中毒やフーリガンなども主な取り締まり対象です。若い人々の中には、意図的なのか、無意識なのかはわかりませんが、西洋の堕落した性や、悪魔崇拝のようなカルトの歩く宣伝係の様な人がいます。このような若者はきちんと特定され、必要な処罰を受けるべきです」(c)AFP

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