【7月23日 AFP】中東和平をめぐる米国、ロシア、国連(UN)、欧州連合(EU)の4者協議(カルテット、Middle East Quartet)特使に就任したトニー・ブレア(Tony Blair)前英国首相は23日、特使としての初任務として、ヨルダンのアブドル・イラハ・ハティーブ(Abdel Ilah Khatib)外相と会談した。

 会談は1時間にわたった。会談後、電話取材に答えたブレア氏の広報担当官マシュー・ドイル(Matthew Doyle)氏は「6月末のブレア氏の(訪問の)約束をヨルダン側が受け入れ、たいへん前向きで建設的な会談だった。ヨルダン側からブレア氏と緊密に連携するとの誓約が得られ、ブレア氏は非常に満足している」と述べた。しかし一方で、同広報官は会談内容の詳細については言及を避けた。
 
 初の関係地域訪問としてイスラエルおよびパレスチナ自治区ヨルダン側西岸(West Bank)訪問を控え、最初の訪問国ヨルダンに立ち寄ったブレア特使は、「まずは熱心に話を聞く姿勢」だという。 
 
 ただし前月、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ(Fatah)との抗争の末、パレスチナのガザ地区(Gaza Strip)を制圧したイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)幹部との会談はあるかとの問いに、広報官は「ない」と言い切った。ブレア氏が4者協議から委任されている任務の中で、米政府がテロ組織と規定するハマスとの対話は認められていない。

 23日午前中にヨルダンに立ち寄ったブレア特使は、短時間のハティーブ外相との会談の後、ただちにイスラエルに向かった。イスラエルでは同日、ツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相およびエフド・バラク(Ehud Barak)国防相と会談する。
 
 さらに24日にはイスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相、マフムード・アッバス(Mahmoud Abbas)パレスチナ自治政府議長、さらにサラム・ファイヤド(Salam Fayyad)同首相と個別に会談する。(c)AFP