【7月6日 AFP】レバノンの3つの主要なサマー・フェスティバルのうちの2つが5日、政情不安から2年連続で中止されることになった。

 中止されるコンサートの1つ「Beiteddine Festival」では レバノンにルーツをもつコロンビア人歌手のシャキーラ(Shakira)のコンサートが予定されていた。

 「Beiteddine Festival」のスポークスマンによると、海外アーティストは、旅行者同様、レバノンに来ることを嫌がるといい、安全の確保に頭を抱えているという。

 ベカー高原(Bekaa Valley)で行われる予定だったバールベック国際フェスティバル(Baalbek International Festival)も中止が決定した。

 イタリアの指揮者リッカルド・ムーティ(Riccardo Muti)は今回初めて、バールベックのローマ寺院前でオーケストラの指揮を執る予定だったがこれもキャンセルされた。

 北部のビブロス(Byblos)で行われる予定の3つ目のフェスティバルの開催の可否はまだ決定していない。 

 2006年、イスラエル軍によるレバノン侵攻で、この国に文化の鳥が舞い降りることはついになかった。代わりに1200人の民間人が死亡し、1万人以上の外国人が国外に避難した。

 この年のサマーフェスティバルでは、レバノンの歌姫と称される歌手のファイルーズ(Fairuz)、英国のハードロック・バンド、ディープ・パープル(Deep Purple)、米国の歌手バーバラ・ヘンドリックス(Barbara Hendricks)、歌手のライザ・ミネリ(Liza Minnelli)のコンサートなどが行われる予定だったが、いずれも実現しなかった。

 2006年10月に行われたベイルート国際映画祭(Beirut international film)は、紛争に脅かされることなく、レバノン人の心の中核に鮮やかなアートシーンをよみがえらせるため「戦争ではなく映画を」のスローガンのもと行われた。

 2か月前、レバノンのジョゼフ・サルキス(Joseph Sarkis)観光相は、昨年からの政治危機にもかかわらず、「国際的なメディア・キャンペーンでレバノンに対するイメージを変えたい」とフェスティバル開催を表明していた。

 しかし、レバノン軍とイスラム過激派の戦闘は北部でこう着状態に陥っており、戦闘の爆音はベイルートや観光地にまで及んでいるため、レバノンの文化は今年も紛争の犠牲となった形だ。(c)AFP